高単価人材になるためのERP基礎知識

フリーコンサルタントの職種

2018年8月29日

専属エージェント

榎本 雅仁

高単価を狙うならERP導入の経験を積むのも1つの選択肢です。
参入するためには、語学力や顧客企業の業務知識が必要不可欠です。

社会に情報化が進むごとに人材不足が懸念され、報酬も依然として高いITエンジニア。
そのITエンジニアの中にあって、15年以上にわたり高い単価を維持しているのがERP関連の人材です。
日本国内で1990年代終盤から導入が開始されたERPは、すでに企業の基幹業務になくてはならない存在と言えます。そこで今回は今後ERP関連の案件を狙うエンジニアに向け、ERPの基礎知識をまとめてみました。

ERPは、もともとは経営学から派生したコンセプト

ERPとは日本語で「企業資源計画」と呼ばれ、経営学で使われていたMRP「資材所要量計画」から派生した言葉であると言われています。

MRPは企業が製品を生産する際、その生産にかかわるコストをなるべく減らすために考えられたものですが、ERPは企業の活動全体を最適化しようという考え方です。

企業の資源は、何も製品やサービスの材料だけではありません。
企業がもつヒト・モノ・カネとそれらすべてに関する情報も貴重な資源の一部なのです。
その情報の範囲は通称「ロジスティクス系」と呼ばれる、受注や販売、在庫・購買に関する情報や、「会計系」と呼ばれる財務会計と管理会計に関する情報、またそれらを処理する人材に関する情報など、多岐にわたります。

ERPというコンセプトが誕生するまでこれらの情報は部署や部門ごとに処理され、最終的に経営層のもとに集約されるものの、多くのコストと時間を要し、素早く柔軟な経営判断の妨げになることがありました。
このようにバラバラであった情報をひとつのコンセプトのもとに集約し、統合的に管理・運用することで経営判断に正確さとリアルタイム性を持たせることを目的に、ERPは誕生したのです。

システムの種類やパッケージとして扱われるERP

前述したように、本来は企業活動の可視化や最適化、それによる経営判断の合理化を目的として生み出されたERPですが、現在では基幹業務システムやパッケージの種別を表すものとして使われることがほとんどです。
特にIT業界でERPと言えば「ERPパッケージ」のことを指すことが多く、企業活動に役立つソフトウェア群の総称になっています。

ERPパッケージとして世界的なシェアを持つドイツSAP社が提供する「SAP ERP(R/3)」、データベース最大手のOracle社が提供する「Oracle EBS」、現在はOracle社に買収されたPeopleSoft社の「PeopleSoft」などは世界中で多くの導入実績を持っています。

中でもSAP社の製品は日本国内の大手企業や官公庁を中心にブームを巻き起こしました。
しかし、かつてはSAPのひとり勝ち状態であった日本国内のERP市場も、Oracle社の猛追で2大勢力と呼ばれる状態になっています。
さらにこれらの大手ERPパッケージは導入コストが非常に高く、工期も長期間に及ぶことが問題視されていたことから、現在ではできるだけコストをかけず短期で導入できるERPパッケージも続々と登場しているのです。

現在ではクラウド化の影響を受けてSaaS型のビジネスモデルが増えたことで、中小企業でも比較的容易にERPパッケージを導入することが可能になりました。
今後はすでにERPパッケージを導入済みの基幹業務システムをリプレイスもしくは改修する案件や、中小企業の基幹業務システムとして新規導入する案件が増えていくことでしょう。

ERP案件に参画するために必要なことは?

ERP関連の案件は単価が高いものが多く、エンジニアとしての知識以外の部分を求められることもあります。

例えばロジスティクスに関する基本的な知識と用語の理解、会計系の知識、人事・給与・福利厚生に関する知識などが該当するでしょう。
また、顧客企業が所属する業界に関する知識を持っていることも有利に働きます。

さらに、グローバル企業に導入されるケースが多いことから、一定以上の語学力が条件になることも考えられるのです。
ERP関連の案件に新規参入を考えているのであれば、このようにITエンジニアとしての技術力+αの部分で力をつけていくことが、大切になりそうです。

ERPの国内シェア

2015年に、ノークリサーチ社が調査発表した資料によると、2015年までに中堅・中小企業が導入したERP製品とサービスの累積シェアでは、SAPジャパンの「ERP/SAP Business All-in-one」がトップ。ついでOBCの「奉行V ERP/新ERP(奉行21/奉行iを除く)」、富士通の「GLOVIA smart/GLOVIA SUMMIT/GLOVIA ENTERPRISE」、日本オラクルの「Oracle Fusion Applications(EBSも含む)」と続いています。

2015年単体の実績では、OBCの「奉行V ERP/新ERP(奉行21/奉行iを除く)」となっており、累積として継続利用している企業が多い製品と新規に導入する企業が多い製品では差があることがわかります。

参考:http://www.norkresearch.co.jp/result/release.html

パッケージの最新動向や企業の動向を注視しながら、スキルを身に着けていくのがよさそうです。

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